「リフレーミング」:視点を変えてみてみよう➀

執筆者:青木みのり
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ここにコップに半分の水があります。さて皆さんは、「半分も入っている」と思うでしょうか?それとも「半分しか入っていない」と思うでしょうか。同じ水の量なのに、表現の仕方で、印象はずいぶん違いますね。この違いは、どこから生まれるのでしょうか。

これは、物事のとらえ方の違い、ということができるでしょう。心理学でいう「リフレーミング」という事柄に関係しています。リフレーミングとは、「物事を、前提となる枠組みを変えてみることによって、違った意味を見出すこと」とされています。冒頭のコップの水の場合も、コップに水が満たされていることを当然の前提として考えると、「半分しかない」となりますが、コップがからである状態を基準、つまり枠組みとして考えれば、「半分も入っている」ということになります。2つの例は、前提としている枠組みが違うのですね。

リフレーミングとは、「リ・フレームすること」、つまり、直訳すると「再枠付け」ということになります。私が専門としている心理療法の文脈では、再枠付けをすることにより、「ものの見方を柔軟にし、行き詰まりを打開することや、問題維持のメカニズムをより健康的なメカニズムに変える(平木, 2003)」ことが期待されます。コップの水の例でも、最初の「半分しかない」と思うことは完璧主義で、満点を前提として足りないところに注目する減点主義といえます。高いパフォーマンスが期待できるでしょう。一方後者は、水がない状態を基準にするので、たとえ少なくても今あるものに注目し、その価値を認めていく考え方だといえます。どちらかが正しい、とかより良い、というわけではありませんが、例えばもしも前者の考え方を続けて行き詰まった時、後者の、今あるものを生かしていく考え方は、事態の打開を助けてくれる可能性があります。

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平木典子 (2003) カウンセリング・スキルを学ぶー個人心理療法と家族療法の統合.金剛出版.