公認心理師と臨床心理士、2つの資格について

本学心理学科は、国家資格である公認心理師養成のためのカリキュラムに対応しています。加えて、大学院の臨床心理学領域は、(公財)日本臨床心理士資格認定協会の第1種指定大学院となっています。

これらの2資格は、対人援助に携わる心理専門職の質を保証する代表的な資格ですが、違いをご存知ですか?

公認心理師

日本で初めて誕生した心理学関連の国家資格です。4年制大学による養成は、2018年4月に開始されたばかりですが、臨床心理士をはじめとする現職者が経過措置を受け受験し、 2019年度試験までに3万6千人の合格者が出ています。

公認心理師の国家試験を受験するためには、大学で法に定められた25科目の授業を履修したうえで、①大学院で実習を中心とした指定科目を履修する。あるいは、②法に定められた「特定の施設」で2年以上の実務経験を積む必要があります。

本学は、大学および大学院において公認心理師養成のカリキュラムに対応しています。

臨床心理士

1988年に誕生し、現在までに3万人以上の有資格者がいます。指定大学院、または専門職大学院を修了し、所定の条件を満たしたうえで公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の資格試験に合格する必要があります。

本学は、第1種の指定大学院であり、大学院修了生の多くが臨床心理士資格を取得し、臨床現場で活躍しています。

おもな違い

公認心理師と臨床心理士の違いを挙げると、

  1. 公認心理師は学部で指定カリキュラムにのっとった教育を受けることが必須です。臨床心理士は大学院で養成するので、学部教育については問われません。
  2. 公認心理師の養成は学部での教育と外部機関(医療・保健、教育、福祉、司法・矯正、労働・産業)における実習を重視しています。一方、臨床心理士は大学院での教育と外部機関(同上)における実習に加え、大学内の相談室による実習を重視しています。

本学における専門家養成の特徴

学内外での実習に向けて段階的なカリキュラムを用意しています。

学部

  1. 講義を通して、基礎心理学・臨床心理学の理論を学びます。
  2. 心理学的支援や心理査定について、知識と体験をつなげながら学びます(例:「心理学的支援法Ⅱ」ではグループワークを通して人間関係づくりや支援的コミュニケーションの基礎体験を積みます。「心理的アセスメント」では心理検査を実際に実施しながら学びます。)
  3. 実際にクライエントとカウンセラーの体験をするロールプレイ(役割演技)や、事例検討などを通して実践的な学びを深めます(「心理演習」など)。
  4. 以上の段階を踏まえ、学外の施設での実習を行います(「心理実習」)。

大学院

  1. 学生同士でクライエント役とカウンセラー役を取り合うロールプレイを通して、面接の基礎について体験的に学びます。
  2. 他大の院と連携し、試行カウンセリングを実施しており、実際にケースを担当する前に、カウンセラー役、クライエント役を体験することができます。
  3. 実習で担当するケースについては毎回の個人スーパービジョンを提供しています。
  4. 既卒者を対象にケース検討会を開催し、卒後研修の機会を設けるとともに、卒業生のネットワークづくりにも貢献しています。

※スーパービジョンとは…実習機関で実施したケースについて、指導者が教育・指導を行うこと

心理学科及び大学院心理学専攻で取得可能な資格※大学院博士課程前期人間社会研究科心理学専攻

  • 公認心理師(国家資格)
  • 臨床心理士

(資格試験の受験要件については上部を参照ください)

  • 認定心理士
  • 社会教育主事
  • 司書
  • 児童指導員
  • 博物館学芸員
  • 児童福祉司
  • 社会福祉主事
  • 社会調査士
  • 日本語教員養成講座

(任用資格(当該職務に任用・任命されて初めて効力を発揮する資格)を含みます。)

参考情報

関連ページ