在学生による卒業生インタビュー

2003年度 心理学科卒業 東洋学園大学 学生相談室 公認心理師 / 臨床心理士中川知佳 さん

2003年度 日本女子大学 心理学科卒

2005年度 日本女子大学 心理学専攻 博士課程前期修了

心理学に興味を持ったきっかけはなんですか?

心理学に興味を持ち始めたのは中学生からです。当時の私は図書室に入り浸りの学校生活を送っていました。そのとき出会ったたくさんの本の中に、ダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」や「五番目のサリー」があります。臨床心理士を志して心理学科に入学したのは、そういった物語の影響があったと思います。 臨床心理学の飯長先生のゼミでご指導を受けながら、基礎心理学の先生方の勉強会をにも参加させて頂き、幅広くさまざまな「心理学」を学ぶことができたのは、本当にありがたいことでした。日本女子大ならではの環境だったと思います。また、大学院に進学し、素晴らしい仲間に出会えたことは、人生の宝物です。これまでもこれからも、仕事でつまずいたとき、プライベートで困ったとき、助け合える友人たちと思っています。

お仕事の内容、やりがいを教えてください!

現在は大学の学生相談室に専任カウンセラーとして勤務しています。少しずつ自立へと向かう大学生は、人が生きてゆく中で悩みの生じやすい時期でもあります。自分の性格や対人関係、進路について、精神的な不調や家族のこと等、さまざまな相談を受けています。カウンセラーの仕事はそれだけでなく、その必要があるときは本人の了承を得て、家族や担任の先生と共に、その学生をどうやってサポートしたらよいのか考えることもあります。さらに、ストレスケアについて楽しく学ぶ講座を主催したり、学生同士が安心して「ちょっとしたかかわり」ができる場を提供したり、そういった仕事も私にとっては魅力のひとつです。 学生が自分自身についての気づきを深め、気持ちや考えを表現し、カウンセラーとだけではなく生活の中でかかわる人たちとの対話や心の交流が進んでゆくとき、それを間近で一緒に体験させてもらうときに、とてもやりがいを感じます。

現在のご職業に就職された理由はなんですか?

大学院を修了したのち、臨床心理士、また制度ができてからは公認心理師の資格を取得しました。子どもの臨床に関心があって、子育て支援や教育相談、スクールカウンセラーの仕事にも就きました。その経験が今の学生相談の仕事につながっています。専門性を磨くことだけでなく、多様な視点で物事を見ること、汎用性の高いカウンセラーであるようにと、いつも先生方に教えて頂いたことを思い出します。また、こんなとき先生方なら何と仰るだろうかと考えることもあります。

在学中、好きだった授業はなんですか?

忘れられないのは実験演習です。優秀な学生ではありませんでしたので、レポートに追われる日々でしたが、実験に必要なラットのお世話のお手伝いをするなど、今となっては思い出深い科目です。 大学院の授業では、やはりスーパーヴィジョンでしょうか。心理相談室で実習として、実際にクライアントさんを受け持ち、毎回の面接について振り返って先生からアドバイスを頂き、また先生と院生で集まってグループで検討をして頂きました。カウンセラーとして、自分自身を振り返る場でもあり、緊張する場面でもあるので、同期の仲間と気持ちをシェアして、励まし合って心を落ち着かせていました。

在学中、特に力を入れたことはなんですか?

1〜2年生ではアルバイトやサークル活動もしていました。小さな文芸サークルの部長をしていて、メンバーの脚本を学祭で演劇として上演したことがあります。夏休みにも生田の山に登って、稽古をしていました。 3年生から大学院を目指す同級生たちと集まって勉強会をして、ああでもないこうでもないと議論をしたのも楽しかったです。息抜きと称して、お花見や花火大会、鍋パーティーで盛り上がりました。どんなことにも楽しみを見つける仲間たちでもありました。

心理学科の後輩へメッセージをお願いします!

ご縁あって学部・大学院と6年間を日本女子大で過ごし、今でも助け合える仲間や、ご指導いただいている先生方に、ずっとずっと支えられ、支えて頂いています。私は人付き合いが得意というわけでもなく、どちらかというと性格の根っこが暗いほうなのですが、日本女子大は私にとって「やさしい」場所でした。甘やかす、たやすいという意味ではなく、こうしてみたい、これをやりたいという意思を大事にして頂いた場所です。また、お互いの個性に価値があると思えた場所でした。ある先生が日本女子大の教育理念である「自発創生」について話してくださったことを思い出します。ここは、あなたの思いや考えが、楽しくて明るいだけでなくても、あなたというだけで大切にしてもらえるところです。だからこそ、あなたが人とちがうところ、あなたの個性を大事にしてください。

Feb, 2022

※内容はインタビュー当時のものです

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