赤ちゃんは「影が暗い」とわかるのか➀

執筆者:佐藤 夏月
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心理学の重要なトピックである「錯視」は、物理的な世界と主観的な世界の間のずれが顕在化したものであり、このずれがどのように生じているかを考えることで、主観的な世界がどのように構築されているのかを検討することができます。以下に紹介する錯視は特に優れた錯視として有名なもので、Checker Shadow錯視と呼ばれています。これは、影の部分と影の外の部分で、本当は同じ明るさであるのに、影の中の方がより明るく知覚されるという錯視です。このような錯視が生じるということは、我々の視覚システムが影の部分は周囲より暗いはずである前提を持ち、その影響を差し引いて明るさを知覚していることを示しています。


Checker Shadow錯視


Checker Shadow錯視のわかりやすい解説→NTTコミュニケーション科学基礎研究所 IllusionForum

このような暗黙的な前提による知覚への影響は、生まれつきヒトが持っている能力なのでしょうか(②へ続く)。