ある日の心理学中級演習の様子(青木ゼミ)

3年生の青木ゼミの心理学中級演習11のご紹介です。臨床心理学、とくに家族心理学や学校心理学など、複数の人々の相互作用についての心理学を中心に学んでいます。
ゼミの顔合わせでは、同じ学科の中でもこれまであまり話をしたことがないという人もいます。そこでゼミ初日は、トーキングサークルという、互いを知るコミュニケーションをしました。これはネイティブアメリカンなど世界各地で伝統的に行われてきた対話の方法で、現在司法や教育などを中心とした臨床心理学の実践領域で注目されてきています。進め方はとてもシンプルです。ファシリテーターであるキーパー(ゼミ教員が担当)と共に、全員が円になるよう車座になって座ります。当日の写真がないのが残念ですが、たき火を囲むイメージでしょうか。
そして提示されたテーマに沿って順番に話し手となり、思い浮かんだことを話していきます。話し手以外の全員が聞き手となり、話し終わるまでさえぎらずに傾聴します。テーマは例えば「今の気持ち」「最近少しうれしかったこと」「最近少し心が曇ったこと」などです。
話し手は、テーマについて自由に話すことができ、話したくなければパスすることもできます。話している間は、自分で選んだトーキングピースをもって話します。例えば、スマホ 📱やぬいぐるみ🧸など、好きなもの、その人にとって重要なものが選ばれるようです。
終了後の感想では、「みんなのことをより深く知ることができた」「話さなくてもいい、といわれて、安心できた」「人と話すことが不得意だけれど、話し終わるまでみんなが真剣に聞いてくれたので落ち着いて話せた」「トーキングピースを持っていると安心」などがあり、安心してコミュニケーションできたことがわかりました。
2回目以降のゼミでは、家族心理学についての文献をまとめて発表し、ディスカッションをしています。
発表の様子です。
グループに分かれてディスカッションをします。
発表者の報告を聞くだけではなく、各自の理解を持ち寄って共有することで、理解を深めていきます。みなさん、興味を持って参加していて、いろいろな視点が提示され、教員も刺激を受けています。
以上のような感じで、前期は、ゼミ生同志の関係づくりに重点を置きながら、論文を読んでまとめ、発表することに慣れることを心掛けています。
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