心理学実験Ⅱ ある日の授業風景
心理学実験Ⅱは2年生の必修科目です。心理学の基礎としての実証的な方法を理解し、習得することを目的に、1年生の必修科目である心理学実験Ⅰに続いて、応用面を含めてより広範囲の研究手法を学びます。学生は複数のグループに分かれて、発達心理学・認知心理学・社会心理学の実験調査、臨床心理学の心理査定を実際に行い、解析し、レポートにまとめます。
この日は発達心理学の実験を行いました。
まずは実験に先立って、このような注意事項を周知します。
実験に対するバイアスや先入観をできるだけ持たないで欲しいということで、今回も実験手続きの詳細は明らかにしません。しかし、この実験のポイントとなるのは、この教卓の上にいる「赤ちゃん人形」です。
この人形を各班に配布してある実験を行い学生同士でデータをとります。その「とれたてデータ」を実際に集計し統計的に解析した後、概ね2週間で実験レポートを書きあげます。ちなみに人形を配ったときの学生さんの反応は多様で、「かわいー、連れて帰りたい」と大喜びする学生さんも、遠巻きにおそるおそる見ている学生さんもいて面白いです。
他の授業で観察していても、実Ⅱレポートの提出〆切直前の2年生はなんとなく落ち着かない雰囲気があり、「てんぱっている」感じになっています。ところが意外なことに卒業時に聞くとけっこう多くの学生が、「大変だったけど実験実習が一番良い意味で印象に残っているんです」と言います。多分、実験Ⅰ&研究法(1年生)→実験Ⅱ(2年生)→ゼミでの演習(3年生)→卒業論文(4年生)という一気通貫の流れが達成感を生み出すのかもしれません。というわけで、その努力はいずれ卒論として実を結ぶ!がんばれ、2年生!!