2023年度石井ゼミ・中級演習紹介
皆さんこんにちは!心理学科3年石井ゼミのSです。今回のブログは石井ゼミ(社会心理学)の中級演習について紹介します。前期の石井ゼミでは社会心理学に関する研究論文の輪読を中心に行いました!
最初に読んだのは2つの研究論文。「心理学における再現可能性危機:問題の構造と解決策(池田・平石, 2016)」と「社会心理学におけるp-hackingの実践例(藤島・樋口, 2016)」を読みました。これらは主に社会心理学の再現可能性について論じたものです。
再現可能性とは、論文等で報告されている研究を別の人が同じ手続きで実施したときに、元の研究と同様の結果が得られることを指しますが、近年、心理学研究の再現可能性が低いことが指摘されて、問題視されているそうです。この再現可能性について知識をつけるために、論文1つを4人で担当し分担して、自分たちのレジュメを作り、ゼミで報告し合いました。レジュメを作るのは初めてで困惑した部分もあったけど、石井先生からアドバイスをいただきつつ、自分たちなりに完成させていきます。八人八色のレジュメを読みながら研究論文について見聞を深めることが出来ました!
次に行ったのは英語論文の精読です。英語の論文を読み進めることも初めてに近いことだったので、少し苦戦する部分もありましたが、先生や他のゼミ生と共に単語から文章まで一つ一つ読み解きながら、最後まで読むことが出来ました!
先日読んだ英語論文は神概念プライミング効果についての論文(Shariff & Norenzayan, 2007)でした。プライミングとは、ある単語や図などに事前に参加者を曝露しておくと、その後の反応が変化するという現象のことを指しますが、この論文は、神や宗教に関する概念をプライミングすることによって、参加者が向社会的行動をするのではないかという仮説を検証した論文でした。この論文で報告されている研究は、その後に再現可能性について批判も出ているそうですが、プライミングについて興味深い見解をもたらしてくれた論文です!
そして、後期の石井ゼミでは、前期によんだ研究論文の追試を行うことになっています。いよいよ本格的に自分で研究を用意して実践をしていくのは緊張もしますが、論文で得た知識を活かして自分たちなりの結果が得られるよう頑張りたいです。