多感覚心理学 ある日の授業風景:音のない世界のデモを体験

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こんにちは、多感覚心理学のある日の授業風景をご紹介します。

この日は、後期最初の日で、ガイダンスの後、簡単な導入として、いくつかのデモを行いました。

最初に取り上げたのは、「ガラスの果物をカット」(出典:https://www.youtube.com/watch?v=mBTQvn1bqg4)という動画です。まずは音声を消して、受講生のみなさん全員で映像だけを見てみました。

このブログをご覧のみなさんも、ぜひ音を消してからご覧になってみてください。そうすると、果物がゼリーやグミのように、柔らかい素材に見えると思います。ところが、次に音をつけて見てみると、今度はそれがガラスのような硬い素材に感じられるのです。不思議ですよね。同じ映像なのに、音があるかないかで、素材の印象がガラッと変わってしまいます。

続いて行ったのは、「音のない世界」というデモです。男性が話している動画の口元だけを拡大し、音を消した状態で見ていただきました。

ちょうど後期から、manaba(授業支援システム)に新機能が搭載されて、匿名でリアルタイムにアンケートが取れるようになったので、さっそく新機能を使ってみました。

質問はシンプルにこちら:

Q1. 男性が何と言っているかわかりましたか?

選択肢:はい・いいえ

   

すると、全員が「いいえ」と回答しました。ネタバレになってしまうので、詳細は内緒にしますが、音声がない状態で口の動きだけを見て、何と言っているかを判断するのはとても難しいのですね。

授業ではこの後、ヘレンケラーさんの動画を見るなどして、「見ること」「聴くことのそれぞれの役割について考えました。

多感覚心理学の受講生のみなさんの感想(抜粋)です

  • 導入としてガラスのフルーツを切るASMRなど身近な例を挙げてくださり、イメージがしやすいのがよかったです。音が聞こえないとガラスっぽく見えないというのは今までにない視点でした。
       
  • デモ動画が興味深かったです。全然何を言っているのか分からなかったです。
      
  • 「百聞は一見にしかず」と聞くと、たしかに聞くことよりも見ることの方が重要そうに思えますが、「眠る時に目は閉じているけれど耳は閉じない」というようなことを聞いて、なるほどと思いました。
       
  • 今回は初回授業ということで、導入という形でしたがとても興味深かったです。特に、アンケートをとった音のない世界のデモ音源ですが、本当に何を言っているのか分からず、音がないだけでこんなにも理解できないのだと、知ることができました
       
  • 「多感覚心理学」という学問に馴染みがなく、どのような講義か手探りでしたが、非常に興味を惹かれる内容でした。これからの講義も楽しみです!