関係行政論 ある日の授業風景
関係行政論は、公認心理師を受験するために必要な科目で、公認心理師として社会で活動する上で必要となる法律や制度、施策の知識と、その基盤となる考え方について理解を深めるための授業です。この日は、法・制度の基本について講義をし、なぜ公認心理師が法を学ぶ必要があるのかについて、議論をしながら理解を深めました。
公認心理師は国家資格であるため、その業務内容は「公認心理師法」という法律に定められています。その定めに従って仕事をしなければならないのです。また、さまざまなリスクのあるケースに対して、冷静な判断をし、適切な対応をするために、法や制度の知識が必須です。その必要性を実感をもって理解できるように、いくつかの事例をあげながら、受講生の皆さんに法や制度がどのように生かされるのかを議論を通して深めてもらいます。
最初は、法律なんて難しすぎる、頭に入ってこない、という学生もいますが、たとえば児童虐待のケースで、自らにも通告義務があることや、守秘義務よりも通告義務が優先されるのはなぜなのか、ということを考えてもらうと、法や制度がどのように生かされているのか少しずつ理解できるようになっていきます。
公認心理師は医療・福祉分野、教育分野、司法・犯罪分野、産業・労働分野といった多様な領域で仕事をしているため、そのすべての分野の法や制度を学ばなければなりません。学ぶべき法や制度は膨大であり、ただ知識を詰め込んでも具体的にどのように活用されるのかがわからないと、生きた知識にできません。
本学の関係行政論では、各領域で実際に働いている公認心理師の方(多くは卒業生)に来ていただいて、法律が仕事をするうえでどのように生かされているのかについてもお話をしていただいています。堅苦しいイメージのある法や制度ですが、実は我々の生活に密接に関わっていることが理解できるようになると思います。