社会・集団・家族心理学Ⅰの授業風景
社会・集団・家族心理学Ⅰは、公認⼼理⼠資格の取得のために履修が必要とされている授業です。この授業では、ヒトを他の動物と比較した際に際立つ特徴の一つである「社会性」に着目し、社会心理学の視点から、人の心と社会との関係について学んできました。特に、個人の認知や感情、対人関係、集団、文化といった多層的な水準から、人の意識や行動がどのように形成され、相互に影響し合っているのかを扱ってきました。毎回の授業では、テキストを中心にして様々な社会心理学の理論や研究が紹介されますが、公認心理師試験によく出題される用語や概念についても触れるようにしています。
さて、この授業では毎年学期末に期末試験を行っています。期末課題(レポートなど)を実施する授業が多い中で、比較的珍しいかもしれませんね。期末試験では、授業で紹介した研究や理論について、400字程度で説明する問題が4〜5問出題されます。学生の皆さんは回答用紙に、これまで勉強したことをぶつけるかのごとく回答を一生懸命書いてくれます。
本授業で学んだ社会心理学的な視点は、日常生活や今後の学修、さらにはさまざまな社会的場面を理解する上でも有用なものです。例えば、社会心理学では、人間の行動はその人自身の内面(心)だけでなく、むしろその人が置かれた社会的状況によって強く駆動されると捉えます。私たちはよく、「善行をしたのは良い人だから、悪行をするのは悪い人だから」と捉えてしまいますが、社会心理学的な観点からすると、「良い/悪い人でも、置かれた社会的状況によっては良いことも悪いこともする」と考えます。これは人間を公平・多面的に見るのに極めて重要な視点であると考えています。
期末試験を一つの節目として、授業で扱ったこうした考え方や問いが、今後も各自の中で活かされていくことを期待しています。
