公認心理師の職責:産業領域の心理職・ゲスト講師回

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この科目「公認心理師の職責」では、心理師の主な職域である医療・保健、教育、福祉、司法・矯正、産業・労働の各分野について、実際の業務を具体的にイメージできるようになることを大きな目的の一つとしています。

産業領域で働く心理職とは

そのため、毎年それぞれの分野で活躍されている先生方をゲスト講師としてお招きしています。
今年度も、産業領域において働く人のメンタルヘルス支援に携わってこられた岩元健一郎先生にお越しいただき、ご講義いただきました。
岩元先生は、公認心理師、精神保健福祉士、キャリアコンサルタント等の資格を有し、企業におけるメンタルヘルス支援、復職支援、障害者雇用支援、研究活動など幅広い実践に携わってこられました。

講義は、

「産業領域の心理職の仕事は、相談室の中だけで完結するものではありません。」

という言葉から始まりました。

その後、産業領域の心理職について、次のような内容を幅広くお話しいただきました。

  • 心理職の中で、産業領域はどのような位置づけなのか
  • 産業領域で心の健康に関わる多職種にはどのような専門職がいるのか
  • 企業のカウンセラーとして、どのような一日を過ごしているのか
  • どのような相談に、どのように対応しているのか

講義で扱われた内容

講義では、さまざまな教材をご用意くださり、学内の講義だけではなかなか触れることのできない内容を学ぶことができました。

  • 勤務されている企業のオフィス環境を紹介する公開動画
  • 企業内相談室の空間や面談環境を理解するための映像資料
  • 相談開始時の説明方法(インフォームド・コンセント)を学ぶための教材

今回は、たまたま産業領域に関心のある大学院生が参加していたこともあり、模擬相談場面のロールプレイ(役割演技)をしてもらい、それをもとに全員で感想や気づきを話し合うという試みも行っていただきました。

学生の感想

講義後には、次のような感想が寄せられました。

会社という大きな枠組みで働いているため自分一人ではできないこともあり、多職種との連携が大切だと考えます。悩みを抱えている人の次の一歩を選択できるよう支援するために、この領域で働く際には自分の能力の限界だけでなく心理職としての限界を知り、メンタルヘルス支援をしていくことを大切にしたいと考えました。

心理的な知識に限らず、職場や企業法への理解がなければ適切な支援はできないことに気づかされました。このような領域で働くには心理師の資格だけでは不十分であること、またどの領域でも様々な立場の視点を獲得することは、心理師の仕事にも何かしらの形で役に立つのではと考えることができました。

私は現在、進路を公認心理師資格を取るために大学院に行くか、就活するか、公務員を目指すか迷っているのですが先生は様々な職種を経験されていて、刺激になりました。特に産業分野で心理師として働くなら会社員経験はとても役立ちそうだと思いました。

まなび

心理職としての専門性だけでなく、企業という組織の中で心理職がどのような役割を果たしているのか、その空気感まで含めて学ぶことのできる、大変貴重な機会となりました。

受講生の中には「公認心理師を目指そうか・どうしようか」と迷っている人も多くいます。こうした機会を通して、自分の進路をじっくり考えてくれればと願うところです。