生涯発達の心理学 ある日の授業風景
この授業では例年、子どもの発達に関する近代的なトピックに沿った教科書を設定しています。今年度は、デジタル社会の中で育つこどもたちの学習や言語能力を科学的見地から解説した2021年発刊の書籍「デジタルで変わる子どもたち ─学習・言語能力の現在と未来」(バトラー後藤裕子著・ちくま新書)を教科書に採用しました。
講義では教科書の担当章を決め、その内容について発表担当者がパワーポイントによるプレゼンテーションを作成し発表します。発表に対する聴講者からの質問や疑問に対し、発表担当者とともに、講師もさまざまな関連研究を調べて回答します。毎回予測不能な質問に最新の科学的知見で答えることを目指しているので授業準備にかなりの労力がかかるのですが、講師自身もとても勉強になる授業です。下の写真は、推し論文の内容を「どや!」と解説しているところです。我ながら楽しそうですね。
この授業のもうひとつの特徴は、受講生同士でのグループディスカッションを適宜取り入れていることです。この日は、今話題の生成系AIを教育にどのように取り入れるべきかについて議論しました。疑問を持ち、調べ、発表し、フィードバックを受け、考え、他者と共有する、という一連の流れの中で、物事を科学的に探求する姿勢を身に着けるとともに、発達に関する近代的なトピックについての問題意識と自分自身の意見を持てる学生になって欲しいと思っています。