視覚心理学 ある日の授業風景
「視覚心理学」では、色彩の心理学をテーマとして講義形式で授業を進めています。色を認識するための脳内メカニズムから、色の錯視、カラーユニバーサルデザイン、美しい絵画やデザインのための配色技法まで、色彩に関する様々な事柄を学びます。
この日の授業では、「色をどう呼ぶか」、つまり色彩のための言葉(色彩語)について学習しました。私たちは、よく似た色を1つにまとめて呼びます(例えば下図のように、「青色」が示す色は複数あります)。こうした色の呼び方は各言語に共通するのでしょうか?
この疑問に答えるために、アメリカの心理学者ブレント・バーリンとポール・ケイは1960年代に画期的な実験を行いました。さまざまな国の人たちに、マンセルチップと呼ばれる小さな色のカードをたくさん渡します。それを、自分の国の言葉で同じ名前で呼ぶグループに分けてもらいました。この実験から、バーリンとケイは多くの言語において共通する色彩語、つまり基本色彩語を見つけました。この発見から、色彩語と言語や文化との関係、あるいは色彩語の元となる脳内メカニズムに関する研究が進みました。
『目と脳がカギ!色のふしぎ』(竹内龍人著、誠文堂新光社)より