学習・言語心理学Ⅱ ある日の授業風景

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「学習・言語心理学」は公認心理師資格対応科目の一つです。Ⅱのナンバリングがされているこの講義では、主に「言語の心理学」、中でも言語習得のメカニズムを中心に解説しています。あわせて言語に関する種々の障害についても理解を深めるために、毎年、言語聴覚士として活動されている方をゲストスピーカーにお招きしています。

 この日は、乳児期の音声知覚発達について講義をしました。まだことばを話すことのできない赤ちゃんたちがどのように音を聞いてるかを客観的に調べるためには、赤ちゃんの反応をうまく利用して実験を行う工夫が必要です。これは「選好振り向き法」と呼ばれる実験手法について解説しているところです。

時計を見るとわかるとおり、9時開始の1限の授業ですが、受講生のみなさんがほぼ遅刻することなくちゃんと時間通りに来て素晴らしいです。 

以下は14回の講義を受講し終えた学生から寄せられた感想の抜粋です。

  • 言語ってなんだろうと考えさせられる時間だった。発達や進化にも関わっていて、動物としての人間を意識した。コミュニケーションだけではなく、認知や思考など、人間の根源につながる学問であり、わからないことがまだたくさんあるということにワクワクした。
  • 最初は言語は発達心理学の延長線であると思っていたが、様々な所に繋がっていて驚いた。人が生活していく上では言語は必要不可欠であるし、普段何気なく使っている言葉は様々な学習や過程を経た上にあるのだということが分かった。
  • 講義全体を通じて、私たちがコミュニケーションをとるために必要な言語は、いつから用いられ、どの段階でどのように獲得されていくのかを学ぶことができた。さらに、言語による違いや言語に関わる障害など、今まで知らなかったこともたくさんあり、言語の世界は奥が深いと感じた。
  • 普段何気なく使っている言語だが、突き詰めてみるとこんなにも複雑で様々な発達・発展の過程を辿ってきて初めて使えるようになったんだなと考えると、少し不思議な気持ちになった。携帯でコミュニケーションを気軽に取ることができ、ネットを通じて世界と簡単に繋がることができる現代だからこそ、言語や言語を使用した聞く・話す・書くといった行動にもう一度注目してみるべきなのかもしれない。
  • 言語に関する様々な理論や実験を学び、それを自分の子どもの頃の記憶などとも結びつけて考えることで、人の言語がどのように発達していくのかについて理解を深めることができた。今までは子どもと関わる機会があっても言語についてはあまり意識してこなかったが、この講義で言語やその発達について学んだことで、今後はその子の年齢と実際の言語の習得状況を照らし合わせてみるなど、今までとは違った見方をもって関われるのではないかと思った。