心理学研究法(基礎心理学)ある日の授業風景 アルチンボルドに挑戦2026
心理学研究法(1年生必修)では、今年も恒例のグループワーク「アルチンボルドに挑戦」を実施しました。この授業では、日常の中にある「なぜそう見えるのか」「なぜそう感じるのか」といった疑問について、実験や体験を通して考えていくことを目的の一つとしています。
このグループワークのヒントになっているのが、画家 ジュゼッペ・アルチンボルド の作品《ウェルトゥムヌスに扮するルドルフ2世(1590–91年)》です。野菜や果物や植物を組み合わせた一枚の絵ですが、不思議なことに、私たちはそれを単なる盛り合わせではなく「人の顔」として認識してしまいます。このように、本来は意味をもたない対象を意味のあるものとして知覚する現象は「パレイドリア」と呼ばれ、とくに顔として認識する場合は「顔パレイドリア」といいます。
グループワーク「アルチンボルドに挑戦」では、フェイクフルーツやフェイクグリーンなどを使い、制限時間わずか5分の中で、学生同士がアイデアを出し合い、協力しながら作品づくりに取り組みました。その結果、今年も多くの力作が生まれました!
受講生のみなさんの作品です
![]()
Aグループこだわりポイント:花を口にくわえています。素材をすべて使いました。目の輝きをスターフルーツで表現しています。
![]()
Bグループこだわりポイント:カラコンとまつげで目をぱっちりさせました。桃のチークで血色感UP。ぶどうでひげを表現しました。
![]()
Cグループこだわりポイント:草で触角を作りました。目を竹で目立たせました。ほっぺを赤くして多幸感を意識しました。
![]()
Dグループこだわりポイント:テーマを決めて顔を作りました。暖色系に揃えました。立体感のあるものを顔のパーツに利用しました。
![]()
Eグループこだわりポイント:りんごの鼻を高くしました。髪を草でダイナミックにしました。目を同じ色に揃えました。
![]()
Fグループこだわりポイント:桃のほっぺ、葉っぱの前髪にこだわりました。バナナで笑っている口を表現しました。
![]()
Gグループこだわりポイント:色味を統一しました。葉っぱで眉毛を表現しました。花で鼻を表現しました。
![]()
Hグループこだわりポイント:ほっぺの桃、バナナの輪郭、いちごの鼻にこだわりました。暖色でまとまっているところが明るい表情にあっていて良いと思います。目立つ色(赤)で目線をそろえてつぶらな瞳を表現しました。
![]()
Iグループこだわりポイント:上下反転しても顔に見えるようにしました。出目、まつ毛で可愛らしく、そしてバナナをカチューシャに使いました。
![]()
Jグループこだわりポイント:オレンジの上にまつ毛代わりの葉をのせて、その上にライムを載せて目をクリっとさせました。葉っぱで髪の毛に見えるようにたくさんのせてフサフサにしました。マンゴーを顔の横においてほっぺに見えるようにしました。
![]()
Kグループこだわりポイント:リンゴでほっぺが目立つようにしました。葉っぱや花で毛量を多めにしました。口ひげを生やしてカリスマ性を出しました。
![]()
Lグループこだわりポイント:目を目立たせるために高さを出しました。髪の毛に飾りをつけて華やかにしました。葡萄をつかって口と髭を表現しました。
受講生のみなさんの感想(抜粋)です
・アルチンボルドの絵画は知っていたけれど、実際にあの絵画のような作品を作る経験はなかったのでとても楽しかったです。目や口にみえるものがあれば案外なんでも顔に見えるんだなと思いました。
・グループワークで意見を出したら、周りの人が、「それいいね」「いけるいける」と言って好意的に採用してくれたのが嬉しかったです。とりあえず置いてみるだけでも、そこからアイデアが湧いたり、イメージしやすくなったことが面白かったです。
・色は全く人と似ていないのに、口と目があるだけで顔らしく見え、頬や鼻をつけるとより人間の顔に近づいたように感じられました。ニコちゃんマークが顔に見えるのと同じで、人の顔の要素がかなり省略された形でも、目や口などの重要なパーツを連想させるものがあれば、私たちは幅広く顔として認識できるのだと思いました。
・実際に取り組んでみて、意外とどの果物でも顔には見えましたが、果物や置く場所によって顔の印象が変わるのが面白いと思いました。使う素材は一緒のはずなのに、グループによって全く違う顔を作ることができるのがとても興味深かったです。
・コンセントの差し込み口が人の顔に見えるという話は聞いたことがあったけれど、本当に目と口があるとなんとなく人の顔に見えるのだと体験してみて感じました。簡単そうに見えたけれどやってみると難しくて、身の回りの野菜や果物を組み合わせて様々な作品を残したアルチンボルドはすごいなと思いました。
・輪郭に見立てたはずのバナナが口にも見えたりと見る人によっても感じ方が変わることにおもしろさを感じました。今回は5分という短い時間でしたが、もう少し時間をかけてまたチャレンジしてみたいです。
