心理演習 ある日の授業風景
心理演習の授業風景を紹介します。
心理演習は、公認心理師受験のための必修科目であり、4年生で心理実習に参加するための基本となる科目です。3年生の前期に履修することが決められています。対人援助職に就くために必要な知識と技能を修得することを目指して、自己理解のためのワークや具体的な場面を想定したロールプレイなどを行います。
この授業は、4人の臨床の教員が担当しています。
この日は、前の回に行ったロールプレイについて、学生のリアクションペーパーの内容に沿ったフィードバックを行いました。ロールプレイでは、カウンセラー役、クライエント役、観察者役を交代で担当します。それぞれの立場で、ロールプレイを行っている際にどのようなことを感じたのか、丁寧に振り返ります。
特にクライエント役を演じることで、カウンセラーの関わりがクライエントにとってどのように感じられるのかを体験でき、カウンセラーとしての関わりの意味を理解することにつながる大切な学びとなったことを、多くの学生が語ってくれました。
初めてのカウンセリング体験は、学生にとってドキドキの連続で、「いざとなると言葉が出てこない」「頭が真っ白になった」など、うまくいかなかったことばかりに目が向いてしまいます。ですが、クライエント役として、「カウンセラーがただそこにいてくれるだけで安心した」「一生懸命に話を聴いてくれることがわかって話しやすかった」といった体験もできたことで、カウンセラーは完璧でなくてもいいことや、ただそこにいることが大事だということに気づくことができました。
対人援助の仕事に就くためには、体験を通して実感の伴った学びが欠かせません。学生の皆さんが、自分の弱さに素直に向き合い、新鮮な気づきを語ることで、学生同士もお互いに他の人の良い面を認め合うことができるようになり、学生の成長が感じられた授業でした。