なぜキャラクターは魅力的なのか?:基礎心理学特講2 感性情報心理学
今日は、基礎心理学特講2感性情報心理学の授業をちょっとだけご紹介します。
まずは下の写真をご覧ください。
みなさんは、こんな顔をしたサルがいるのをご存知ですか?ボルネオ島に分布するテングザル(学名: Nasalis larvatus)と呼ばれる種類で、特にオスの成獣で鼻が大きく、長くなるのが特徴です。
それでは、このサルを、思わず近づいて抱きしめたくなるようなキャラクターとして描いて下さい、と言われたらどう描くでしょう?
この授業では、人間がどのようなものに美しさや魅力を感じるのか、その心理学的な法則やメカニズムを学びます。大抵は、講義を始める前に、上に示したような課題(クイズ?)に全員で取り組んでもらい、後の講義の中で種明かしをするというスタイルで進めます(課題の結果が予想と違って、うまくいかない時ももちろんありますが…)。
この課題を行なった時のテーマは、「なぜキャラクターは魅力的なのか?」でした。
人間がかわいいと感じるものにはベビースキーマ(Lorenz 1943)と呼ばれる、幼い動物が持つ身体的特徴(目が大きい、丸みがあるなど)が含まれており、観察者の接近行動を引き出します。漫画やアニメの人気のキャラクターを見てみると、実に巧みにこのベビースキーマの要素が取り入れられていることに気づかされます。みなさんも、キャラクターグッズを前に思わず駆け寄ってしまった、という経験があるかもしれません。
それでは、一見ベビースキーマを含まなそうな動物(例えば、上に挙げたようなテングザルの成獣)をもとに、接近行動を引き出すようなキャラクターを描いてみる場合、生み出されるキャラクターはベビースキーマを持っているのでしょうか(もちろん、ベビースキーマについての知識がない前提です)?
さて、先ほどの課題は、そんな疑問から始まった少し挑戦的な取り組みでしたが、種明かし後に受講していた学生たちと一緒に出来上がった作品を確認すると、そこには多くのベビースキーマの要素を見つけることができました(まずはちょっと一安心です)。ここでは、受講生たちが生み出してくれた、個性豊かなキャラクターたちの一部をご紹介させていただきます。
さて、いかがでしたでしょうか?
受講生のみなさんにこの授業の感想も聞いてみましたので(一部の抜粋です)、ぜひ参考にしてみてくださいね!
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manabaの掲示板機能を使い、自分で撮った写真や描いた絵を共有する課題があります。実践的に授業で学んだことを理解できる上、大喜利のような感じになるので一石二鳥で楽しいです!
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漫画の見方が変わる!内容が親しみやすくて、実例がちゃんとみれるのでわかりやすい。
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面白い!日常に心理学的要素がたくさんあるんだなと思った。授業を受けてから、生活しているときに学んだことを発見したりすると、「あれピークシフトだ」とか「典型だ」とか考えるようになった。
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心理学を楽しみながら学ぶことができました。美しさの法則や表情、漫画など日常に存在する様々な出来事と心理学の関係を知ることができ、「あれはこういうことだったんだ!」という気付きが沢山ありました。
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心理学と一口でいっても様々なアプローチ方法がありますが、「美」という人に備わった感性や顔の認知の仕組み、漫画がもたらす効果など、今まで触れたことのないジャンルばかりで非常に新鮮です!そしてパワーポイントが使われる授業なので、視覚的に得る情報が多く、100分間ずっと楽しいです!
<引用文献>
Lorenz, K. (1943). Die angeborenen formen möglicher erfahrung. Zeitschrift für Tierpsychologie, 5(2), 235-409.
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