心理学研究法 ある日の授業風景

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心理学研究法についてご紹介します。この科目は1年生の必修科目であり、公認心理師養成カリキュラムの科目でもあります。講義全体を通して、心理学における実証的研究法やデータを用いた思考方法、研究における倫理について学んでいきます。1年間という長い時間をかけて、その先の学びの土台を形作っていくのです。

この日の授業ではまず、研究不正について学びました。研究活動における不正行為とは、捏造 (存在しないデータ、研究結果等を作成すること)、改ざん (研究資料・機器・過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること)、盗用 (他の研究者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を、当該研究者の了解もしくは適切な表示なく流用すること)を指します(文部科学省による定義)。この定義だけだと、学生のみなさんにとってはなんだかよそ事にように感じられるでしょう。

しかし、ここからレポートのコピペや卒業論文のデータのちょっとした改ざんといった大学生にありがちな不正行為に結び付けて説明することで、身近な問題として捉えることができるようになります。同時に、こうした不正行為が本質的にはいかに効率が悪く、自分にとって利益のないものであるかを説明します。

さらに、この日は発達心理学、特に子どもを対象とする実験や調査における倫理についても学習しました。「Aさんの卒論計画」と題した架空のストーリーを読んでもらい、グループで話し合いながら計画のずさんさや倫理的な問題をあぶりだしていき、全体で共有します。

今回の授業を受けた学生さんの感想です。

  • 私達学生にレポート作成などは常についてくるので今回改めて捏造や改ざん、盗用の意味を知ることが出来て良かった。
  • 研究不正が思っていたより身近にあるようでびっくりです。私も不正行為を意図せずやってしまわないよう、ルールを確認するなどして改めて気をつけたいと思いました。
  • 研究不正は、どれもしてはいけないことだという意識はあっても、悪気なく無意識のうちにおこなってしまうかも知らない可能性も感じ、これから心理学科の学生としてレポートや研究を多くこなしていかなければならない中、危機感を持っていきたいとおもった。
  • 心理の実験では、些細な所まで実験参加者に気を配ることが大切なのだとわかりました。自分が協力をお願いする立場になっても、やってもらっているという意識を忘れずに、不安を感じさせないように注意したいと思います。
  • 発達心理学の実験において、通常の実験以上に気を使ったり、想定外のことを予想することが大切だと感じた。人間を対象にし、その中でも子供に対する行動観察の実験が多いため、思い通りにいかないことも多く、様々な配慮が必要だと感じた。