在学生による卒業生インタビュー

2021年度 心理学科卒業 株式会社日刊工業新聞社田中薫 さん

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心理学に興味を持ったきっかけはなんですか?

学問として興味を持ったタイミングは受験期です。自分の進路を考えたときに、「今まで触れたことのない勉強をしてみたい。就職や今後の人生に直接役に立たないとしてもいいから、人生にアクセントを加えるような、知らない学問に触れてみたい」と思ったことが主な理由です。ただし振り返ると、私は小学生時代、立命館大学の北岡明佳教授の錯視図形に夢中になっていました。何度見ても面白くて、錯視画像を印刷してずっと眺めていたことを覚えています。当時はそれを心理学だとは認識していませんでしたが、思えばあの頃から心理学が好きだったのかもしれません。

お仕事の内容、やりがいを教えてください!

「産業総合紙」と言われるジャンルの新聞記者をしています。簡単に説明すると、ほぼ経済面だけの新聞です。製造業を中心に、金融業やサービス業、建設業、不動産業、IT業界、商社、プラント業界など、「産業」と呼べるもの全てが取材対象です。現在は転勤で地方の支局(他の業界で言う支社に相当します)に在籍し、地元の中小企業や、県・市政の取材をしたりしています。自分の記事が紙面で大きく取り上げられ、社会からの反応を得られるとやりがいを感じます。取材先との関係性を上手く築けたときも嬉しいですね。

現在のご職業に就職された理由はなんですか?

幼少期から文章を書くことが好きで、記者や編集者になりたいと考えていました。この会社を選んだのは、製造業に携わっていた家族から、申し込んでみてはどうかと紹介されたからです。自分も昔から知っていた新聞社だったので、すぐに企業説明会に参加の申込みをしました。

在学中、好きだった授業はなんですか?

知覚・認知心理学や視覚心理学、多感覚心理学、社会心理学などです。基礎心理学が好きでした。心理学実験も、さまざまな実験ができることや、理論立てて物事を考えてレポートに起こすことが楽しかったです。2週間に1度のレポートの提出は大変でしたが。
また、心理学科以外の授業を受けることも好きでした。映画や舞台芸術が好きだったので、文化学科の授業を受けたり、現代社会学科でアメリカ近代史学を学んだりしました。とても好きだった授業の先生とは、今も連絡を取っています。

在学中、特に力を入れたことはなんですか?

趣味と勉強だったと思います。といっても、その2つは地続きでもありました。大学では自分の学科はもちろん、それ以外の授業も自由に勉強できます。膨大な専門資料が保管された図書館も使い放題です。自分の好きなことを専門家から直接教えてもらえる楽しさは格別でした。

心理学科の後輩へメッセージをお願いします!

私の仕事は一見すると、心理学とは関係があまりありません。しかし、学んで良かったというタイミングは沢山あります。例えばとある取材で、計測装置の試作品に出会いました。それは人の感覚を数値化するもので、まさしく多感覚心理学で学んだ内容とリンクします。自分が学んでいたからこそ、その装置のすごさを言語化して読者に伝えられたと思っています。ここまで心理学が仕事とぴったり合うことはあまりないかもしれませんが、きっと皆さんの今後の人生で、大学で学んだことを、ふと思いだす時が沢山あると思います。楽しんで学んで、学生生活を満喫してください。

Dec, 2025

※内容はインタビュー当時のものです