2000年度 心理学科卒業 一般社団法人COMHCa 共同代表理事下平美智代 さん
心理学に興味を持ったきっかけはなんですか?
小学生の時にNHKの番組で超心理学のESP実験を見て興味を持ったことが最初でした。超心理学が心理学だと思っていました。私は高校卒業後、心理学科に入る前に他の短期大学看護学科に入っているのですが、そこで初めて心理学の授業を受け、まずはユング心理学に興味をもつようになりました。その時の先生が箱庭療法をされていて、体験をする機会があり、やがて臨床心理学をもっと学んでみたいと思うようになりました。
お仕事の内容、やりがいを教えてください!
ここ10数年は地域精神保健の領域で研究と実践を行っています。現在は、所沢市保健センターで経験専門家(精神疾患を持つ当事者)の方々と一緒に対話のグループを創り運営しています。今年の春から看護師、公認心理師、医師、作業療法士の多職種で立ち上げた非営利型の法人(一般社団法人COMHCa)で、対人援助職者支援(相互サポートのコミュニティの運営・コンサルテーション・研修)と精神疾患を持つ方のご家族の相談・支援を行っています。
現在のご職業に就職された理由はなんですか?
元々は2013年にフィンランドのオープンダイアローグを知り文献研究をして、2014年に現地で視察研修を受け、2015年から臨床実践に取り入れようとしたことに端を発しています。私自身、臨床実践の中でもプライベートでも対話の小さなコミュニティを創るようになり、そうしたなかで今一緒に活動をしている多職種の仲間と出会いました。仲間とそれぞれの経験を語り合うようなミーティングを重ねる内に、お互いに癒される感覚に気づくようになりました。対人援助の専門職に就いている人も専門職者である前に一人の人間です。個人の生活のなかでも、職業のなかでも困難に直面し大きなダメージを負うこともあります。一人の人として自分自身の感じていること、経験を語れる場、その場を共にすることが相互サポートとなるような場、そういう場が必要とされているのではないか、では私たちでそういう場を創ろう、これが一般社団法人COMHCaを立ち上げた理由です。
在学中、好きだった授業はなんですか?
比較発達心理学、生理心理学と社会心理学はとても興味深く授業がおもしろかったです。どの授業も勉強になりましたが、臨床心理学系では家族心理学、他学科の授業では美学が印象に残っています。
在学中、特に力を入れたことはなんですか?
私は社会人入試で入り、非常勤で仕事をしながら学業をがんばっていました。新しいことを学ぶことがとにかく楽しかったですし、入学当初から大学院に進学するつもりでいましたので、仕事と学業の両立をとにかくやっていこうという感じでした。たいへんな面もありましたけれど、とても充実していたと振り返って思います。
心理学科の後輩へメッセージをお願いします!
学生の本分を忘れない程度にですが、とにかくやりたいこと何でもやってみることなのかなと思います。サークル活動、アルバイト、旅、スポーツや趣味など、なんでも。一人で行動してみるのがお勧めです。新たな出会いがあり、世界が広がると思いますよ。
October, 2023
※内容はインタビュー当時のものです