【種明かし】カフェウォール錯視は なぜ起こるのでしょうか
カフェウォール錯視は なぜ起こるのでしょうか
カフェウォール錯視は、イギリスのカフェの壁面で発見されたことから名付けられた錯視であり、心理学者リチャード・L・グレゴリー教授らによって1979年に命名・発表されました。
写真:イギリス・ブリストルのカフェウォール前に立つリチャード・L・グレゴリー教授(2010年2月撮影)。
平行だった線が傾いて見えるのは、目から入る情報を脳が処理する過程で起こる錯覚です。理由は大きく分けて3つあります。
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タイルの位置のズレ
白と黒のタイルは交互に並んでいますが、上下の列ではタイルの位置が少し横にずれています。この規則的なずれによって、脳は線の向きについて「斜めの流れ」のような情報を受け取ります。
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明るさの差による影響
脳は、白と黒の明るさの違いをもとに境界を判断しています。このとき、白と黒が交差する部分では、間の線(ピンクなど)の周辺にわずかな傾きの情報が生じます。そのため、本当は平行な線でも、傾いているように見えてしまいます。
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脳が情報をまとめるしくみ
脳は、見えたものを一度に処理するのではなく、小さな部分ごとに分析し、それらを組み合わせて一つの画像として認識しています。交差部分で生じた小さな「傾き」の情報が全体で積み重なることで、平行だった線全体が斜めに傾いているように感じられるのです。
この錯視は、実際の建築にも活用されています。こちらはオーストラリア・メルボルンにある「Port 1010」ビルです。2007年に完成したこの建物の外壁には、カフェウォール錯視を利用したデザインが取り入れられています。まっすぐな線なのに傾いて見える不思議な効果によって、思わず二度見したくなる建物になっています。建物の名前「1010」にちなんだ青い「0」のデザインも描かれており、心理学の研究成果が建築デザインに生かされた代表的な例として知られています。
文献
Gregory, R. L., & Heard, P. F. (1979). Border locking and the Café Wall illusion. Perception, 8(4), 365–380. https://doi.org/10.1068/p080365
